私が勤めているビルの2階フロアには、うちの会社を入れて3社入っている。
トイレは廊下奥にあるので、隣の事務所の前を通らなければトイレには行けない。
ある日、私がトイレに行こうとしたら、
隣の事務所の扉が全開だったので中の様子が見えてしまった。
チラッと見ると、日頃よく挨拶する中年男性のおっちゃんがナゼか全裸で四つん這いの姿になっていた。
なっていたというより、全裸四つん這いにさせられている感じだった。
そのおっちゃんの隣にはホスト系風貌の若い社員の男が二人、
黒い革張りのソファに座ってタバコをふかしながら放置状態にしている。
異様な光景だった。
真っ昼間の職場でこんな現実離れした出来事が世の中にあるものなのか?
とりあえず冷静に事務所に戻って来てから社長にコトの事態を報告。
社長はおもしろがって、
「俺もトイレに行こう!」と言って廊下奥のトイレに行く。
ゆっくりと中の様子を見る。
やはり全裸四つん這いだったと若干笑いながら戻って来た。
いやいや、笑っている場合ではない。
警察に連絡しようかどうしようかと悩んでいたら1〜2分後、
全裸四つん這いのおっちゃんが何事もなかったように普通にネクタイ姿で事務所から出て来た。
もう着替えたようだ。
このおっちゃんは日頃からしょっちゅう事務所の若い男に怒鳴られているので、
まるでイジメにあっているようにしか見えなかった。
実はこのおっちゃん自身も少々変わった人物で、
毎日24時間365日事務所に常駐していたり、というか常駐させられているのか?
服装は毎日同じカッターシャツとネクタイで薄汚れていて、
通勤カバンを持ちながらトイレの掃除用具室の狭い扉に挟まれて動こうとしなかったり、
挙動不審な動きでオドオドしていたりする。
時々腕にギブスをはめて松葉杖をついて歩いている姿を見ると、
これは明らかに事務所の若い衆にやられたのであろうと想像するのだが、
しかし現場を見た訳ではないので、
こういう場合どう対処するべきかいつもモヤモヤする。
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