深夜の泥棒 <中編>

 

どうやら、玄関の外灯が点いていない

暗がりの家ばかりを狙っていることがわかった。

 

私は急いで家に入り、

下駄箱の上に置かれていた懐中電灯と、妹愛用の

読売ジャイアンツファン専用メガホンを持って外に飛び出し、

泥棒に懐中電灯を照らしながら

巨人のメガホンを口に当て

「おい!泥棒!」

と大声で叫んだ。

 

泥棒との距離は30メートルくらい離れていたが

泥棒はビクッと仰天し、

猛ダッシュで逃げて行った。

 

私は

「泥棒ー!」

「泥棒ー!」

と江戸時代の町奉行のように

何度も叫びながら追いかけたが、

さすがに泥棒の逃げ足は速く、追いつけなかった。

 

くやしい。

逃げられた。

なぜだ。

 

阪神ファンの私が巨人のメガホンを使ったことが原因か。

それとも、普段は野球に興味がないの

オールスターゲームの時だけテキトーに応援して

にわか阪神ファンだからか。

 

とりあえず警察に報告。

深夜のパトロールを強化してもらった。

 

それから数日経ってから、

いつも帰宅時間が遅かった妹にこの出来事の話をした。

 

すると、先日の深夜1時頃に斜め向かいに住んでいる

Mさんの40代くらいの息子さんが帰宅する姿を見たのだが

様子がおかしかったという。

 

なんだ?なんだ?

Mさんの息子さんが犯人だと言うのか?

 

 

<後編につづく>

 

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