深夜の泥棒 <前編>

 

20年前、実家に住んでいたときのできごと。

 

私の趣味は深夜の天体鑑賞。

星空を眺めるのがとても好きなので、

その日も夜の星空を鑑賞していた。

 

深夜2時ごろ。

表の道路から足音が聞こえて、右隣の家の門を

ガチャガチャと開けようとする音がした。

 

足音は門を開けて敷地内に入り、

玄関ドアをガタガタと開けようとする。

ドアは開かなかったので

引き返して門を閉めて外に出る。

 

右隣の家のおばさんは当時60代くらいで一人暮らし。

毎日消灯が早いので深夜に帰宅しない。

 

足音はいよいようちの家の前まで来たが、

うちは玄関の外灯を煌々と点けていたので

その人物はうちの家を外から覗き見しただけで

前を通り過ぎて、

今度は左隣の家の門を開けて敷地内に入り、

先ほどと同じように

玄関ドアをガタガタと鳴らして開けようとする。

 

音が丸聞こえなので

結構大胆で乱暴な動作であることがわかる。

 

私は植木の茂みの中に隠れて

相手に気づかれないように目だけ出して観察した。

 

黒いキャップ帽に、全身黒色のジャージ、

白い軍手と黒色のスニーカーに眼鏡をかけた

中肉中背の40代くらいの男だった。

 

どっからどう見ても典型的な泥棒。

わかりやすすぎる。

 

そして今度は斜め向かいの家にも侵入。

 

 

<中編につづく>

 

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